ギフト小説

お城の舞踏会に行けなかった末の娘が魔法にかけられる話



「なんでボクが掃除なんてしなくちゃいけないんだよ…。お城行きたかったのに」
「おい、邪魔するぞ」
「はぁ?」
「シンデレラだな。お前の願いを叶えにきた」
「なに、あんた。不法侵入?殺されたいの?」
「そこは普通警察呼ぶぞ、とかだろ。なんでいきなり殺されるんだ。つかお前殺せるのか」
「うるさいなぁ。一体なんなの。出てってよ。せっかく磨いたのに汚れるじゃん、床」
「話を聞けよ!願いを叶えに来たっていってんだろ!」
「願い?」
「城に行きたいんだろ?」
「…うん、まあ」
「でもドレスも足もないと」
「足は、そうだね。上のが乗ってっちゃったから」
「…ドレスはあるのか?」
「おさがりなら。最近不景気だっつって買ってもらえないんだよねー」
「ほらないんじゃねえか。そこでじっとしてろ。魔法かけてやるから」
「なに、あんた魔法使いなの?」
「ああ」
「似合わないねー!どう見てもチンピラじゃん」
「うるせえ!!」
「でも鍵かけてたのに入って来たよね?」
「魔法使いだからな。空も飛べるぞ」
「想像したくないんだけど…」
「ホウキに跨ったりはしねえから安心しろ」
「横座りなの?うわぁ………」
「ちがう!!」
「別になんでもいいんだけどさ。まあ信じてあげるよ。靴に免じて。これでいいわけ?」
「(靴?)ああ。いくぞ」
「ん」
「ウロ・ボロス・ブー!!」
「………………………………」
「………………………なんだよ」
「恥ずかしくないの?」
「恥ずかしいに決まってんだろ!!デビルズネストにしようかとも思ったが"デビル"ってのもなと思ってやめたんだよ!!悪いか!!」
「ウロボロスだってなかなかだと思うけどね。意味わかってる?」
「うるせえ!いいだろかけられたんだから!」
「ん。チンピラの割りにはいいセンスしてる」
「違うって言ってんだろ!!」
「はいはい。で?足は?」
「あー、外でやる」
「ぷっ、またあの呪文?」
「しまいにゃ殴るぞガキ…」
「そんなことしたらお城に行けないよ?せっかくあんなに恥ずかしい思いまでしてかけてくれたのに」
「ん、の、ク、ソ、ガ、キ…!!」
「馬車ができたらそのまま行けばいいの?あんたもついてくんの?」
「いや。従者もつけてやるから一人で行け。ただし」
「ん?」
「12時までには帰ってこい。魔法が解けちまうからな」
「うっわー、夜はこれからってとこで解けるわけ?」
「まあ12時までに結ばれたら解けねえんだけどな」
「結ばれる?」
「あ?」
「結ばれるって?」
「あぁ、わかんねぇか」
「うん」
「わかんねぇならいい。ちょっと安心した。とにかく12時までに帰ってこい」
「ねぇ、教えてよ」
「知らなくていいんだよ」
「教えてって。キス程度でいいの?それともヤっちゃう?」
「……………………………(絶句)」
「中か外かってのもあるじゃん。ねぇ。教えてよ。固まってないでさ」
「………………おまえ…………」
「ん?やっぱ中?生で中?」
「…………………………(再び絶句)」
「あ、そうだ。まだ時間あるよね」
「……………あ?」
「具体的に、教えてよ」
「…………………なにを?」
「ナニ、を?」
「お前!なんなんだ!?なんで、」
「間男に言われたくないなぁ。あ、魔男?どっちでもいいや。けーさつに通報されたくなかったら大人しく言うこと聞いて」
「お前、」
「ほら、ボクの部屋。ね?」
「………………………」
「ね、しよ?」
「……………………」
「王子さまよりあんたに興味あるんだ」
「…………うそつけ、興味があんのは行為だろ」
「かもね?」
「………どうなっても知らねぇぞ」
「どうにでもして」
「………………………」











「おまえ、これ……!」
「いいから…つづけ、て………」















「………………しょじょ、じゃねえか」
「ん、そだよ」
「………………………」
「知識ぐらいどうやったって身につくよ。兄弟いるし」
「……………おまえ、な」
「ねぇ、王子さまじゃなくても魔法は解けない?」
「もう脱いでんのに関係あるか」
「ああ、そっか。顔も髪もぐちゃぐちゃだ」
「はぁ…………」
「後悔しちゃった?」
「…………さぁな。もうどうでもいい」
「してるじゃん。そんなあんたには酷かもしんないけどさ。ちょっと聞いてくれる?」
「あ?なにを?」
「ボクの名前」
「…………は?」
「エンヴィーっての」
「………………は、?」
「シンデレラって名前の娘はたしか、隣の街にいたよ」
「…………まじ、で?」
「マジ」
「うそだろ…?!」
「残念ながら。ドレス見る?おさがりだけどボロじゃないよ」
「舞踏会だってのに、掃除してたじゃねえか…!」
「つまみ食いしたの怒られてさ。罰として掃除しとけって言われたの。ボクだって行きたかったんだよ?」
「………………なんかおかしいと思ったんだよ………やたら口悪いし……凶暴だし………」
「ごめんね?」
「飲みに行きたいからってやっつけにするんじゃなかった………」
「そうだったの?それまだ間に合う?」
「いや…もういい………」
「……ごめんね」
「…なんだ、急に」
「んー?なんでも」
「あ?言え。今更隠すな」
「嫌われたくないかなぁと、思って」
「…なんで」
「さあ?」
「はっきり言え」
「好き、みたい」
「…オレが?」
「うん」
「いつから」
「いつのまにか」
「……………」
「ごめんね?」
「もういい。本物のとこ行ってくる。ギリギリで間に合うだろ」
「ん。バイバイ。…さよなら」
「そのうち兄弟が帰ってくんだろ?」
「?うん、多分ね」
「なら帰ってきたあと、鍵開けとけ」
「え…?」
「間男になってやるよ」
「!!!」
「じゃあな」
「っ、うん!わかった!!わかった、えと、」
「グリードだ。またな、エンヴィー」
「グリード!ありがとう!!!」




















「……マジでギリギリだったな…。悪いことした…」
「グリード」
「!」
「間に合った?」
「ああ、いや、お前なんで外に」
「心配になって」
「…本当に来るか?」
「ううん。うそ。早く会いたかったの」
「………なんだいきなりかわいくなりやがって」
「…………なにそれ」
「照れんな。兄弟はどうしたんだ?帰って来てないのか?」
「朝帰りだって。下のは友達と遊んでるだけだと思うけどね」
「…兄弟揃ってご立派なこった」
「あ、鐘だ。よく響くでしょ、ここ」
「12時か…」
「うん」
「12時だな」
「だね」
「…で、お前は?」
「グリードが帰らなくていいなら、どうにでもして?」
「しゃあねえな。まず家に入れろ」
「りょーかいっ」















こうして末の娘と魔法使いは幸せにくらしましたとさ。
(待て待て待て待て待て)
















こういうひねくれた童話パロを考えるのが大好きです。

さて。珍しくこんなのいってみます。









ボツ劇場。









「…で、お前は?」
「グリードが帰らなくていいなら、どうにでもして?」
「オレは魔法にはかかってねぇからな」
「そっか」
「いや、やっぱかけられたな」
「誰に?」
「お前。恋の魔法、ってやつだな」
「…っ、はっずかしいの!!」←でも嬉しげ/自分だけじゃなかったから









ボツ劇場。その2。









「いや、やっぱかけられたな」
「誰に?」
「お前。恋の魔法、ってやつだな」
「…それならボクもかけられた」
「お前のはもう解けねぇが」
「?」
「今度はオレのが解けないようにしねえとな」
「???」
「ベッドに行こうか、エンヴィー」
「…っ!!!」


↑ここでシンデレラって言って(もちろんわざと)殴られるってのもあり(もちろん本気)。











今度こそ終わり。
お粗末さまでした。
なんだこのエロ話。(笑)












1111HITキリ番&お礼としてサキオさまへ捧げます。
どうもありがとうございました!!


色遠。





【管理人後記】
色遠さんよりキリバンでいただきましたVvv
ありがとうございます!!! 同じお話が色遠さんのサイトR.O.G.からもご覧になれます!
…あと直接は関係ないのですが、このお話を読んだ少し後、にょ…女体化がすっごいやりたくなり……変なモノを描いてしまいました。画像部屋にありますがこちらからもいけます…。怖いモノが見たい方だけどうぞ///。
えー、改めて色遠さん、萌えをありがとうございましたーーー!!!